デング熱の流行について
2001年5月 医務官
1.デング熱の流行状況について
デング熱は約3年周期で流行することが知られています。1998年の大流行から3年目にあたる今年は当初より流行が予想され、保健省でも早くから殺虫剤散布や住民教育を行ってきました。
しかし5月に入ってデング熱流行に関する報道がみられるようになりました。デング熱対策の中心的役割を担っている国立マラリアセンターによると、5月に入ってから地方で流行が確認されているとのことです。現在流行している地域はPrusat州国境地域、Siem Reap州Puok地域、Ratanakkri州で、この他Banteay Meanchey州、Battambang州でも患者が増加しつつあります。
今年の流行の特徴は都市部ではなく地方で流行がみられることです。いままでデング熱はPhnom Penhなどの都市部を中心に流行しましたが、今年は今のところ流行の兆しはみられません。
2.デング熱の基礎知識
デング熱はネッタイシマカという蚊によって媒介されるデングウイルスに感染して起こるウイルス性疾患です。
感染して3〜7日の潜伏期間の後に突然の高熱で発症します。熱は通常39度を超え、頭痛や関節痛、筋肉痛などを伴います。5日程度で解熱傾向となり、この頃体に発疹が出現します。解熱後もしばらくは微熱や疲れ安さが残ることが多いようです。
デング熱の重症型にデング出血熱があります。デング出血熱では命にかかわることがあります。
特効薬はないため(抗生物質も効きません)対症療法で経過を見ることになります。解熱剤はパラセタモールやアセトアミノフェンを用い、アスピリンなどを使用してはいけません。デング出血熱では入院して全身の管理を行い、輸血が必要となることもあります。
3.デング熱の予防
デング熱は蚊によって感染する病気ですので、蚊に刺されないようにすることが大切です。デングウイルスを媒介するネッタイシマカは日中活動するので、蚊取り線香を焚いたり昆虫忌避剤を皮膚につけたりして蚊を寄せ付けないようにしましょう。
またこの蚊は空き缶にたまった水や過敏の水などで簡単に繁殖しますので、住宅の周り(庭など)にそういった繁殖場所を作らないように心掛けてください。
4.おわりに
デング熱患者数は例年8月にピークを迎えます。今のところPhnom Penhでの流行はみられていませんが、雨期が本格化するにつれ患者数が増加すると思われますので、今後十分な注意が必要です。
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