「海外危険情報」−平成13年12月(継続)−
カンボジアへの渡航を予定される皆様及び同国に滞在されている皆様へ
1.現在の情勢
(1)カンボジアにおいては、長年にわたった内戦が遺した銃器や手榴弾等の武器が反政府組織の手に渡ったり、一般社会へ大量に流出したままとなっており、凶悪犯罪多発の一因になっています。
(2)都市部以外の多くの地域では治安当局の力が十分に及んでおらず、武装強盗団や誘拐団が出没しています。
(3)首都プノンペン市では、昨年11月23日深夜から翌未明にかけて、自動小銃やロケット弾等で武装した反政府テロ組織「カンボジア自由戦士」(CFF)の数十人が、同市郊外の政府軍兵舎、市内の閣僚評議会、国防省、テレビ局、鉄道駅等を襲撃したものの、同夜中に鎮圧され、CFFメンバーを中心に8人が死亡、数十人が負傷しました。
(4)さらに、邦人を含む外国人を狙った犯罪も増加傾向にあり、昨年12月24日未明にはプノンペン市内のディスコ前で、邦人男性旅行者3人が、現地人の若者グループにナイフ、ガラスビン等で暴行を受け、2人が頭部や腹部に打撲傷や刺傷等を負って隣国へ緊急移送される事件が発生しました。今年に入ってからも、武装強盗による外国人の傷害事件被害が続発しています。
(5)その他に、本年4月に入ってから、当国北東部でベトナム国境に当たるモンドルキリ州においてはベトナムからカンボジアへ不法に移民するベトナム少数民族が認められ、当国治安部隊による厳重な警戒線が引かれ緊張した状態が続いています。
(6)7月4日には、プノンペン市内の下級ホテル2件が反政府組織と認められる団体により連続して爆破され数名が死亡しております。
(7)プノンペン市内を含む一部地方では、対立政党間における殺人事件や政党事務所に対する手榴弾投擲事件など政治的な背景があると思料される事件が発生しています。治安当局は、政治的な背景はないと政治絡みを否定又は、政党間の対立を否定していますが、来年2月の地方選挙、更に再来年の総選挙を考慮すると簡単に否定できないところもあります。
いずれにしろ、今後とも各政党間の動向には注視しなければならない状態です。
当地は、前回の総選挙に至るまでの間、政党間における武力衝突が発生し邦人の尊い命が犠牲になっており、今後、予定される地方選挙、総選挙を控え対立の可能性を全く排除し得えない状態です。
2.つきましては、プノンペン市及び首都近郊7州(コンダル、タケオ、コンポン・スプー、コンポン・チャム、コンポン・チュナン、プレイ・ヴェーン、スヴァーイ・リアン各州)、シアム・リアップ市と同市に近接する遺跡、シハヌークヴィル市と同市に至る国道4号線、バッタンバン市に対する「注意喚起」を継続しますので、渡航を検討される際には、上記の情勢を十分考慮して下さい。また、滞在中は下記の事項に十分留意して行動し、危険を避けるようにして下さい。さらに、外務省、在カンボジア日本国大使館、現地関係機関等より最新情報を入手するように努めて下さい。
(1)現地警察当局は個人旅行者の被害が目立っていることから個人旅行を出来る限り避けるよう要請しているので、個人単位の旅行を控え、不測の事態にも適切に対応できるよう、現地事情を熟知した邦人対応できる旅行会社のガイドを同伴することをお勧めします。
また、最近では単独で旅行をしていた邦人女性が、バイクタクシー運転手による観光案内を受けた結果、セクハラ被害にあう等の事案の発生もあります。
(2) 可能な限り下級ホテルを避け、セキュリティーの確立している中級以上の邦人旅行者が多く利用するホテルに宿泊して下さい。
(3)犯罪者は、ほぼ例外なく銃で武装しているので万一強盗に遭った場合は相手の要求に応じ、抵抗しないことが大切です。
(4)治安当局が各所で銃器取り締まり等の検問を実施しております。その停止命令等を無視すると発砲される恐れがあるので、必ず当局者の指示に従って下さい。また、検問所周辺では発砲や爆発事件が多発する傾向にあるので、長く止まらないようにして下さい。
(5)外出の際には徒歩、バイクタクシー、シクロ(輪タク)等は極力避け乗用車を利用して下さい。また、夜間の外出は控えて下さい。
(6)プノンペン、シアム・リアップ、バッタンバン各市への移動は危険な陸路・水路を避け、空路を利用して下さい。
(7)シアム・リアップ市から離れたバンティアイ・トム、プノム・ポック、プノム・クーレン等の遺跡については治安や地雷の問題があることから、引き続き観光を控えることが安全上適切と思われます。バンティアイ・スレイ遺跡への観光は、日の高い時間帯に、現地事情に精通したガイドを同伴し、タクシーを利用して行って下さい。観光を希望する遺跡の安全性については、在カンボジア日本国大使館にお問い合わせ下さい。
(8)プノンペン市から近郊州(シハヌークヴィル市を含む)へ旅行する際には、日の高い時間帯の内に定期バスを利用するか、またはガイドを同伴し、できるだけ2台以上の車列を組んで舗装路のみを通行して下さい。また、鉄道やボートは安全性が十分でないので利用しないで下さい。
(9)都市部以外のほとんどの地域は、電話等の連絡手段が発達していないため地方へ旅行される場合は必ず事前に行き先を知人または大使館に知らせて下さい。
(10)海岸では置き引き等に気をつけ、海水浴は危険な場所を避けて下さい。
(11)地雷の危険があるので、不用意に森林、空き地、農地等へ立ち入らないで下さい。
(12)不幸な歴史背景を持つカンボジアにおいては、政治について地元の人とみだりに議論するべきではありません。また、反ベトナム、反タイ感情が強いことにも注意して下さい。
(13)最近デモの発生件数が増加傾向にあり、暴力沙汰になる場合もあります。デモに遭遇した場合は近くのホテル・商店等に一時退避して下さい。
(14)カンボジア国内には、医療設備の整った医療機関は皆無に等しいため、自己の健康管理に十分留意して下さい。アンコールワット遺跡観光ツアーに参加した高齢の日本人旅行者が病死するケースが、昨年中に2件ありました。 また、アンコール遺跡及び、その周辺は急な階段や足場の悪いところもありますので、見学中は足元に充分注意して下さい。
(15) 万が一武力衝突に遭遇した場合は、ホテルから出ることなく自分の所在を大使館へ連絡するか大使館からの連絡をお待ち下さい。
3.最近、邦人を含む外国人が児童買春・ポルノ撮影、銃器不法所持、麻薬密輸等で逮捕されるケースが続発しております。これらの罪を犯せば重刑を科せられますので、絶対に法を犯さないで下さい。
4.上記2.を除くカンボジア全土に対する「観光旅行延期勧告」を継続しますので、観光等を目的とする不要不急の渡航は、当分の間延期して下さい。
5.なお、隣国のラオスに対しては別途海外危険情報が発出されていますのでご留意下さい。
