遠隔地での予防接種
スレイセントー郡トントロライ行政村ボンティーン村
カンボジアでは、毎月村の保健スタッフがそれぞれ担当の地区を回って予防接種を行っています。1才未満から5才までの子供に年齢によって、ポリオ、はしか、百日ぜき、ジフテリア、結核、破傷風の予防接種が行われます。そして、15才から44才までの女性に対しては破傷風の予防接種が行われています。子供にとって非常に大切な予防接種ですが、予防接種に対する知識が不足しているため、予防接種に対する疑いや副作用に対する恐れ等があり、子供を予防接種に連れて来ない母親がまだまだいます。
この定期的に行われている予防接種の他に、不定期に特別に行われる予防接種があります。ひとつは、定期予防接種の結果があまり良くなかった場合(人があまり予防接種を受けに来なかった時)に追加で行うもの。もうひとつは、このボンティーン村の様に遠い所にあり、毎月の定期予防接種で保健スタッフが回りきれない様な村々を対象に行われるものです。
このボンティーン村は後者の例にあたり、スレイセントー郡の中心地プレッポーからオートバイで約1時間ほどかかります。田んぼのあぜ道の様な道を通り、林の中を抜け、本当に狭い道しかないため、車では行くことができません。また、雨が降った後は道がぬかるみ、オートバイで行くのも大変です。雨期(大体6月−11月)も中盤以降になると、雨水と川の増水で水が押し寄せ、船が唯一の交通手段になります。
この日の予防接種は、ある民家の軒先を借り、プレッポーにある病院のスタッフが中心になって行われました。まずは母親と子供集めです。予防接種に来るよう保健スタッフと村長が家々を回り呼びかけます。病院スタッフが準備を進めるうち、少しずつ子供を連れた母達が集まってきます。保健スタッフは、母と子供の名前を記録し、その横で病院スタッフが予防注射をうっていきます。また、この遠隔地の村では、普段医者に見てもらうことが難しいため、予防注射をしているわきでは、プレッポーにある病院スタッフが出張診療を行っています。問診を行って、症状により解熱剤、頭痛薬、下痢止め、経口補水塩(ORS: Oral Dehydration Salt)等を処方しています。そして、シェアはこの日予防接種に集まった母親を対象に出張保健教育を行いました。
| 予防接種の準備風景。注射器と針のチェック行う病院スタッフ(右)と頭痛薬を紙にくるむ病院スタッフ(左)。 |
母親に抱かれながらBCGの注射を受ける子供。もちろんこの写真の一瞬後は火がついたように泣き出しました。 |
| 出張診療の様子。白いシャツの台の上に座っている病院スタッフが問診をしているところ。黄色い帽子をかぶっている病院スタッフは、記録をしながら薬の処方をしていま。 |
| 予防接種に来た母達を集めて、シェアスタッフが保健教育を行っているところ。この時は、妊産婦・母子の健康について絵を見せながら説明しました。母達は保健教育というもの受けるのが初めてで、「自分達の健康について有益なことを知れた」と感想を述べていました。 | ![]() |